代々木ライブ その2

もし、愛する人との時間が3時間しか残されていないとしたら、何を話すだろう? 恐らく悲しみや嘆きを超えて、愛する人の心との交流を慈しむ時間になるのではないか?


江藤淳と慶子夫人の最後の時間を思い浮かべてhttp://f24.aaa.livedoor.jp/~rzard/LRZ/mymind/eien.htm、私は坂井泉水さんと対話するつもりで代々木のライブへ向かった。それが「詞を、言葉を大切にしてきました。」というライブ冒頭で流れる坂井さんの言葉への私なりの受け止め方だと思ったから。そして、坂井さんは楽しむことを望んでいるはずだと自分に言い聞かせて、もう今回は悲しみや嘆きよりも、ライブを「楽しむ」ことができるのではないか、という思いだったのだ。


しかし、今回はとくに歌詞に注意力を集めて聴こうとしたのだが、歌詞のところどころにある悲しみの泉に触れると、どうしようもない悲しみが溢れてきてしまう。まず、その辺のことを中心に書いていきたい。


15時10分、私は家内と渋谷付近を歩いていたが、坂井さんが旅立たれたこの時刻に一瞬立ち止まって黙祷する。


会場には半旗が掲げられていた。


18時50分頃、会場内へ入るとBGMが流れていた。坂井さんが指定されたキースジャレットのケルン・コンサートなのだろう。こんなことを最初に書くのは気が引けるが、まず感じたのは会場の音響の悪さだ。フェスティバルホールのような、包み込んでしかも通る音とは正反対で、さぞかしサウンドエンジニアは苦労されただろう。まー、生演奏が始まってしまえば、あまり気にはならなかったが、それでもエコーがかなり遅れて耳に届くことがあった。私の席はアリーナ前寄り中央。「体育館」だから多くを望むのは無理だろうし、席位置にもよるのだろうが、この会場は使って欲しくないというのが正直なところだ。


坂井さんの「詞を、言葉を大切にしてきました。」という言葉に続いて、1曲目は「揺れる思い」。

泉水ワールドに一気に引き込んでしまう極め付きの名曲だが、初ライブで坂井泉水さんがこの曲で登場された時の感激と緊張感を思い出したからか、いきなり泣けてきてしまった。昔のことを鮮明に思い出すと、やはり悲しさがこみ上げてくるのだろう。

しかし、この曲でかなりの人が立ち上がったのには驚いた。私はじっくり坂井さんと対話したいと思っていたので、「オイオイ、幾らなんでも早すぎるぜ」と思った。私の前ではなかったから良かったものの、その後の人はあまり愉快ではなかったかもしれない。


続いて「IN MY ARMS TONIGHT
「Just For You」:  ♪あなたがいつでも そばに居た
「遠い日のNostalgia」:  ♪明日の行方知らない笑顔・・・
いきなりグサリと来た。涙をこらえる(以下、歌詞引用部分は同様。)


ここで古賀涼子さんのMCが入った。古賀さんはZARD/坂井泉水展で「負けないで」の何度も書き直されていた自筆歌詞を見て言葉を大切にされていたことに強く打たれたと言われていた。たとえ今回の仕事のためだったとしても、その会場に足を運ぶプロ意識には好感を持てた。http://www.tfm.co.jp/blog/koga/
そして、スタンディングは今しばらく待って欲しい、と言われた。


「Season」
「ひとりが好き」:坂井さんのお気に入りの曲だ。私はこの曲に坂井さんご自身を感じてしまうので、聴くのは切ない。
「不思議ね・・・」:  ♪ああ季節(とき)は 全てを変えてしまう
「I want you」


この続きはまた明日書きます。
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