負けないで

もし坂井泉水さんが読まれたらと、想像するだけで汗が出るが、一ファンのZARDへの想いとして笑ってお許しいただけるようお願いするのみである。
ZARDのヒストリーを考えるときいつも思うのは、泉水さん自身は「負けないで」をどう思っているんだろうか、ということだ。この「代表曲」が無ければ、今のZARDは無かったかもしれないけど、ZARD「負けないで」(=応援歌)みたいな捉え方をされるのは、泉水さんにとって恐らく不本意だろう。「負けないで」は多面体ZARDワールドの一面に過ぎないからだ。
想像に過ぎないが、デビュー以来、無我夢中でやってきた泉水さんは、ある時ふと「負けないで」の存在の巨大さに気付く時がやってきたのではないか。思春期の男の子にとっての父親のような、自分を育ててくれた存在でありながら、乗り越えるべき対象として。
ZARDはアルバム「TODAY IS ANOTHER DAY」(1996.7.8)で作風をより内面的な方向へ大きく変化させた。後から考えれば、それは「負けないで」を乗り越えようとする無意識の、あるいは意識的な試みだったのかも知れない。
私が「負けないで」の乗り越えの「意思」を感じたのは、次のアルバム「ZARD BLEND SUN & STONE」(1997.4.23)に「負けないで」が入らなかったからだ。もちろん、全く別の理由で入れられなかったのかも知れないが、この総括的なアルバムに「代表曲」を入れない理由というのはとくに見当たらないようにも思えたのだ。

この続きは、いずれまた・・・。