魂を揺さぶる声

玄月という芥川賞作家が、数日前の毎日新聞のコラムで「魂に直接触れてくる」歌声について語っている。

「これは比喩ではなく、そういう現象が起こる、というしかない。あえて喩えるならば、それこそ心臓に直接手で触れられるような」体験である、と。

それはよくわかる。玄月さんは「そんな歌手はあまりいない」と言う。確かにそうだ。

私の場合、そんな経験をしたのはZARDのライブと、ジャニス・ジョップリンを聴いたときだけだ*1玄月さんが挙げた何人かの歌手には、当然のことながらジャニス・ジョップリンも入っている*2

ZARDライブのバラードは本当にそんな感じだった。坂井泉水さんの歌声に魂を深く揺さぶられたのは私ひとりではなかっただろう。ライブ後、魂を抜かれたような放心状態がしばらく続いたという感想はいろいろなファンから聞いた。そう、これは人生で何度もない大変なことなのだ。

ZARDライブのDVD、玄月さんに聴かせたら何と言うかな。広く聴いてもらってZARDの「凄さ」を知ってもらうという意味では、本当はCDの方が良いのだが・・・。魂を揺さぶるあの声をCDで出さないのは実にもったいない話だ。どっちも出すというわけには行かないのかな(笑)。

*1:ジョーン・バエズも生で聴いたらそうだったかも、という気がするけど。

*2:ジム・モリソン(ドアーズ)も挙げているが、声で魂を震わすのとはちょっと違うと思う。それにしても、この人、1965年生まれだというのに、昔の歌手を良く知ってるので感心した。