15年目の「信」

今日はZARDデビュー14周年の記念日だ。
去年の今日、この日記に次のようなことを書いた。

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・・・ZARDというと、明るく爽やかというイメージが強いのかも知れないが、そんな単純なプレゼンスで13年間も過酷なサバイバル・レースの世界のトップランナーであり続けることなどできるはずがないのである。

ファンは坂井泉水さんの詩によって世界が、いやむしろその裂け目が、自らをそっと開示するのを知っている。孤独と絶望の中にあって、癒しと励ましが。幸福のさなかに、いつかそれの終わることが。

もちろん、声、詩、楽曲、ルックスの全てが揃った稀なアーティストであるに違いないんだけど、このように長期間、人気を維持し続けるのは並大抵のことではない。人気に溺れず、努力を重ねているに違いないが、それを見せないところも凄いね。

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1年後の今年も全く同じことが言える。考えてみれば、同じ1年間でも、1年が2年になるのと、13年が14年になるというのは全然別の話で、後者の方がずっと重みがあるのだから、同じことが言えるというだけでも凄いと思う。

しかし、1年前と決定的に変わったことがひとつある。それを一言で言うなら「信」ということだ。

坂井さんについては、たとえば声量が無いとか、歌が下手だとか(CDは修正したものだとか)いろんなことが言われていた*1。そう思っていたわけではないけれど、反論する確かな根拠が無いのも事実だったし、ファンとしても、ライブはうまくいくかなというような心配があったのも事実である。

しかし、ライブを見たファンでそんなことに思い煩う人はもう居ないだろう。絶対的な「信」がファンの中に根をおろしたのである。

もうひとつ、坂井さんの中にも「信」ができたのではないか。ライブを成功させた達成感は、今では自分の道に対する「信」に変わっているだろうと思うのである。

さあ、今日から15年目だ。

*1:我が国にはアーティスト性とルックスは両立しないはずだという根強い観念があるようで(笑)、その固定観念に調和しない坂井さんの場合は、どうしてもそういう変な見方をされがちなのだ。