時代

あのAERAが別冊で「AERA in ROCK」という本を出した。
http://www3.asahi.com/opendoors/zasshi/aera/mook/rz20050225/index.html

AERAが?なんて半分馬鹿にしつつも、ジャニス・ジョプリンの名前が載っていたので、思わず買ってしまった。先週の土曜日のことだ。

ところが読み出すと結構面白い。書いている人たちは、だいたい私と同じ「あの時代」を共有しており、ロックへの思いといったものが痛いほど分かる気がするのだ。

それは、たとえばこういうことだ。いなみりつこという中国文学の教授が書いている:1976年11月25日。「ザ・バンド」のファイナル・コンサートの映画(ラスト・ワルツ)終幕近くで歌われた「アイ・シャル・ビー・リリースト」。これを見るたび、「ああ、みんなでこうして時代に別れを告げているのだ」と思う、と。

「あの時代」を共有し、「ある時」それに別れを告げるという、そういう時代経験というものは、私より後の世代にはおそらく無いのではないか。心のどこかに隠してある、あの夏の残光と、別れのトラウマ。こういうと、少しキレイ過ぎるけど。


実はAERAを買いに行ったんじゃない。「Rock In Golden Age」なるmookの創刊号が出たので、それを見たかったのだ。
http://shop.kodansha.jp/bc/rock/

なんだかビートルズ偏重みたい。そりゃ、ビートルズは偉大だし、その名前を出せば売れるんだろうから仕方がないのかも知れないが、出版ビジネスのスケベ根性がちょっと気にくわない。もう少しいろいろなミュージシャンの名前が見たかったな。

ビートルズは好きだけどさ、当時のロック少年(笑)たちは、反骨精神というか、他人とはいかに違うかに高い価値を置いていたわけだから、超メジャーな存在を並べるようなやり方には「ちょっと違うだろっ」と言いたくなってしまう。編集者の気骨が欲しいよね。

でも、やっぱり気になる(笑)。まー、全巻そろえるつもりはないが、関心のある巻だけは買ってみるかなと、本屋に行ったら「売り切れ」だって。で、たまたまあったAERAを代わりに?買ったというわけ。

この手の本、結構売れてるんだなー。たしかに人口は圧倒的に多いし(笑)、だんだんヒマになってきてるし、そこそこ金も持ってるから、市場としては大きいはずだとは思う。ただ、この世代、ZARD知名度は低いんだよねえ。ってことで、私ももっと頑張らなくちゃいけないね(笑)。