夏を待つセイル(帆)のように (1)

「夏を待つセイル(帆)のように」のコメントを書くのがすっかり遅れてしまった。集中して時間が取れなかったこともあるが、坂井泉水さんが雑誌で言われたコメントの意図を測りかねているということもある。実はそれにまだ引っかかっているのだが、謎は謎でも良いじゃないかと思うことにした。まず基本的なことから書いてみよう。

星のかがやきよ/夏を待つセイル(帆)のように

星のかがやきよ/夏を待つセイル(帆)のように

「夏を待つセイル(帆)のように」は劇場用の名探偵コナン「水平線上の陰謀(ストラテジー)」の主題歌だ。同じCDに収められた「星のかがやきよ」はテレビの「名探偵コナン」のオープニング・テーマである。

この2曲は両A面だ。今回で40枚目という多くのシングルを出してきたZARDにして、両A面は11thシングル「この愛に泳ぎ疲れても/Boy」(1994.2.2発売)1回しかなかったわけだから、かなり異例のことだ。たしかにどちらの曲もA面にふさわしい、ZARDらしい素晴らしい曲で、ひとつづつA面にして2回に分けてCD化することだって十分可能なのに、すごく贅沢なCDだと思う。

私はまず、「夏を待つセイル(帆)のように」というタイトルにシビレてしまった。タイトルを見ただけでアタマの中に爽やかな潮風が吹いて来る感じ。すごいよね。*1

そんな舞台が設定された上で曲が始まるから、ストリングスの壮大なイントロでは、自然に大海原のイメージが目に浮かんでくる。*2

次いで一転して、アコギの爪弾きになるが、これが実に軽やかで明るいんだよねぇ・・・。これは穏やかな大海原をゆったりと吹く風だ。壮大から軽快へと転換する曲の表情。鮮やかというほかない葉山たけしさんのアレンジだ。

(つづく)

*1:2月23日のこの日記に「とにかくこのタイトルはとても絵画的、あるいは視覚的だ。5・7の12音節だけで、爽やかな風の光や空気の匂い、温度や湿度までもが運ばれてくる。」と書いている。まだ試聴もできず、曲のタイトルしかわからないときのことだ。

*2:実は、3月上旬頃のコナンの特番で流れたバージョンでは、ストリングスの部分は軽やかなハーモニカで、歌の出だしとほぼ同じメロディだった。素朴で懐かしい感じが好きだったのだが・・・。豪華客船や海の大きさのイメージをより強く出すために、現行のバージョンと差し替えられたのかな、と想像している。