距離感


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ZARDのニューアルバム「君とのDistance」、タイトルを見た時私が思ったのは、ネットでの独特の距離感ということだ。


ネットでは物理的な距離は意味を持たない。文通のような時差もない。あるのは心的な距離だけだ。メールやチャットでは、面識がない者同士であっても距離感が失われてしまうことがある。そうした親密な距離感が「パソ婚」といった現象を生んだわけだし、逆に悪用されて少女が犯罪の犠牲になったりもするわけだ。


ただ、似たようなコミュニケーションでも電話ではこうはならない。事務連絡みたいな内容ならともかく、会ったことのない人と電話で親密な会話をするのは難しい。距離感が狂わないのは(ボイス・チャットをしたことがないからわからないが、)文字と肉声の違いなのだろうか。


物理的な空間では距離は等間隔の目盛りになっているが*1、ネットの空間は決してフラットではない。媒体でこうも違ってしまうのはとても不思議な気がする。


坂井泉水さんはどのような思いをこのタイトルに込めているのかなあ。ひょっとするとネット時代の恋愛なんていうテーマがあるのかも知れない、なんてね(笑)。

*1:アインシュタインの相対論では時空が歪んだりするけど、それはメチャクチャに強い重力がある場合の話。