15周年の秘密

1991年2月10日にZARDがデビューしてから15年を経過した。今日は16年目の初日というわけだ。記念すべき15周年を迎えた日に、何か発表があるのではないかと密かに期待していたのだが・・・(笑)。


昨日ゲットしたMusic Freak Magazine2月号の冒頭に、ニュー・シングル「悲しいほど貴方が好き/カラッといこう!」についての斉田才さんの記事が載っている。それによると、業界で1年に約800組のアーティストがデビューし、1年後に残っているのは1割、10年後になると8組、つまり1%になってしまうという説があるらしい。


数字自体にはあまり意味はないだろうけど、過酷なサバイバル・レースであることは確かだ。15年というのは本当にすごいことだ。


なぜ、それが可能だったのか?斉田さんはその秘密を坂井泉水さんの言葉の中に見出す。「音楽制作に妥協はしない。」


2月7日の日記に書いたパティシエの杉野さんは、少しでも納得できないものがあれば作ったケーキを惜しげもなく捨ててしまう。少しでも良いものを求めて決して妥協しない。それは名人と呼ばれる人たちに共通の属性である。そして、名人と呼ばれるようになっても、その精神を失くした瞬間に名人ではなくなることを知っている。「永遠の未完成でいたい」、杉野さんはそう言う。「ZARDは進化し続ける」と坂井さんが言うのは、そういうことなんだろう。


斉田さんの記事には、坂井さんの言葉を裏付けるように、このZARDの新曲のほとんど最終段階での繰り返された手直しに斉田さん自身が遭遇した様子が書いてある。


まず、斉田さんは既に「十分な仕上がり」の完成間近の音源を聴き、それでレビューの原稿を書こうとしていたそうだ。しかし、その3日後、「より最終形に近い」音源を聴いたところ、「見違える程」になっていたという。


いつ斉田さんが聴いたのかわからないが、原稿締め切り間近だろうから、恐らく2月に入ってからだろう。その時でも「より最終形に近い」もの、つまり、まだ完成していなかったことになる。それでは2月22日の発売は無理だ。


2月22日から3月8日への発売予定延期がアナウンスされたのは1月31日だった。たぶん、2月22日に発売するためには、その時点で完成していなければならず、ギリギリまで待ったけれど間に合わなかったのだろう。


15周年という勲章はダテじゃないのだ。自分が納得するまで、最後の最後まで作りこむ坂井さんの努力に、ファンとしてはありがとうと微笑むしかないではないか。発売が2週間延びることぐらい、まったくどうってことなくたってきたよ(笑)。