カラッといこう!

実を言うと、試聴の時点では私は「悲しいほど貴方が好き」より「カラッといこう!」の方がサビの部分のインパクトが強くて気に入っていた。フルバージョンを聴いた今では、どちらも同じくらい良いなと思うようになったけど。


ずいぶんフォーキーな曲調だなーというのが「カラッといこう!」の第一印象だった。試聴時点でそう思ったし、フルで聴いてその印象はなお一層強まった。フォークといっても、60年代後半あたりのアメリカン・フォーク。それを意識した音作りに思えて、もうそれだけでビビビっときてしまったのである(笑)。


もちろんあくまで基調はポップスなんだけど、こういう軽い、フォーキーなZARDというのも良いねぇ。イントロの抜いた感じのギターなんか、ちょっとバンジョーみたいで好きなんだな。「カラッといこう!」の雰囲気にピッタリだと思う。


それに抜群の明るさ、ノリの良さ。クラップが曲の中でも使われているけど、思わず手拍子したくなってしまう。フォーキーで思い出すのは「時間の翼」のアルバム・バージョンだけれど、「カラッといこう!」のような軽い、ノリの良いスタイルというのは今までには無かったんじゃないかな。


だから聴いたとき、もぎたてのフルーツのような新鮮さを感じた。もちろん新しければ良いというもんじゃないが、私としてはこういう方向は大歓迎(笑)。さりげなく進化しているZARDを感じてとても嬉しい。


歌詞では、「悲しいほど貴方が好き」と同様に「ニュース」という言葉が使われている*1。「カラッといこう!」の方は明るいニュースなのかと思うが、「幻想はいつまで続く? 目の前の現実(いつわり)に目を伏せた」というところは、私にはライブ・ドア事件と重なってしまった。でも、東京地検特捜部の強制捜査は1月16日だから、ちょっとタイミングが合わないか・・・(笑)。


ライブドアではないとしても、デタラメとインチキだらけの世の中の現実をここでちょっと意識させている気がする。まー、そんな翳りを吹き飛ばしてしまう明るいパワーがこの曲には溢れているんだけどね(笑)。


「一面野辺のダンデライオン」はとても印象的で、この作品の快活さ、開放感といった雰囲気を効果的に表していると思う。このCDの盤面に黄色が使われているのは、たぶんこのダンデライオンのイメージなんじゃないかな。それにジャケ写の爽やかでフレッシュな坂井泉水さんのイメージも重なって、「もぎたてのフルーツのような新鮮さ」という印象を強めているように思う。


ところで歌詞にはSHINE!とあるけど、坂井泉水さんはSUNSHINE!と歌っているように聞こえるんだがなあ。どうなんでしょう?

*1:「悲しいほど貴方が好き」では「出来事」、「カラッといこう!」では「Big News」を「ニュース」と読ませている。