雨音混じりのウェディングソング

(緊急告知)WEZARDによると、「初回限定盤の出荷は終了しております。店頭在庫のみとなっておりますので、お早めにお求めください。」だって!まだの人は急げ〜!


さて、本題。
ZARDの42ndシングル「ハートに火をつけて/君へのブルース」をフラゲしに、今日はまずTUTAYAへ。予約シートを渡すとCDがカウンターに置かれた。
「あれ、これ違うんだけど。初回盤じゃなくて、通常盤の方を予約したので。」
「すみません。」と店員さん。慌ててあちこち棚や引き出しを調べている。
しばらくすると別の(すこし偉そうな)店員さんが出てきて、「申し訳ありません。注文ミスで入荷しておりません。すぐ発注いたしますので。」と言う。
「おうおう!一体どうしてくれるんだよ〜!」
なんてことは言わず(ZARDファンの品位を落としたくないからね(笑))、
「じゃあ、入荷したら電話入れてください。」とニコッとしておいた。


というのも、HMVでは初回盤を予約しておいたから余裕なのだ(笑)。
で、メデタク初回盤をゲットした次第。やれやれ・・・。


前置きが長くなったが、「ハートに火をつけて」の感想を書いておく(まだ聴いてない人は、新鮮な感動を損なわないように、以下は今読まない方が良いと思います。)。


何より私が驚いたのはイントロ部分である。アコギが始まる前からイントロ部分を通してバックに聞こえる雑音みたいな音。何だこりゃ?波の音?なぜ、こんな音が入ってるんだ?


そのことは後回しにして(笑)、まずは、イントロの「ハッ!、ハッ!、イェ〜ィ!」である。 これには意表を突かれた。


「ハッ!、ハッ!」で心的なエネルギーが注ぎ込まれて、それが歯切れの良いアコギに煽られ、「イェ〜ィ!」でハートにボッと火がつくようなイメージが喚起される。この部分の肯定的でパワフルな雰囲気に曲の全体の方向性が決定付けられて、明るい、ポップなウェディング・ソングとなっている。


私が特に気に入っているところは、
「♪ハートに火をつけて」 と
「♪未来(あした)に 灯をともし」
というつながり。
「心の中の火」が「キャンドルの灯」に移って未来を照らすというように、連鎖するイメージが喚起されて、とても美しいと思う。


ところで、坂井泉水さんは、この曲について「紆余曲折があって最後はハッピーエンド」と言っておられる(WHAT's IN? 2006.5)。確かに、歌詞には「紆余曲折」を示唆するフレーズがちりばめられている。「君がいない」のように、坂井さんは明るい曲調で別れを歌ったりもするから、明るい、ポップなアレンジの中で「紆余曲折」が歌われることは不思議でもないのだが・・・。


ただ、そうした紆余曲折というか翳りの部分が、この明るい元気なアレンジの中にどうしても埋もれてしまいがちな気がする。そこで、私の理解では、イントロ部分の「雑音」が重要な意味を持ってくるのである。


これは雑音ではなく「雨音」なのだ。WHAT's IN?によると、坂井さんは歌入れ当日に降っていた雨音をサンプリングしたいと思いついたそうだ。この雨音はイントロと、1番と2番の中間部に入っている。

私の考えでは、この雨音こそ「紆余曲折」を象徴する音なのである。そう理解して聴くと、この「ハートに火をつけて」という楽曲に「雨音」がスパイスのように効いていて、一段の深み、奥行きが感じられてくる。


それにしても、「雨音で始まるウェディングソング」なんて、坂井さん以外の誰が考えるだろうか。卓抜な着想に、あらためてZARDの凄さを思わずにいられなかった。ん〜、スゲエ!