ブルースロック的陶酔感覚

「君へのブルース」、イントロのつぶれたようなブルースハーモニカの音を聴いて、葉山たけしさんのブログのことがピンと来た。これって、葉山さんのブログにあった「いなたい」音なんじゃないか?
http://d.hatena.ne.jp/moon2/20060325


で、葉山さんの3/23のブログを見てみると、何と、そこにはブルースハープ(ブルースハーモニカの商品名らしい)の写真が!だから、これは「君へのブルース」のことに間違いないのではないかと思う。
http://app.blog.livedoor.jp/hayamatakeshi_livedoor/tb.cgi/50430338


イントロの「いなたい」ブルースが少し続いた後、曲はロックに変貌する。基本的にはブルースロックという感じだが、女声のバックコーラスが加えられ、スピード感、ビート感が強調された、新しさを感じさせるアレンジだ。古典的?ブルースロックでは当然ない。それで坂井泉水さんは「プログレ」と言われたのだろう。


「君へのブルース」、これまでのZARDの文体ではないので、私も最初はびっくりしたが、元々ブルースロックは大好きなので、全く抵抗なく気に入っている。ブルースロック的陶酔感覚をたぶん経験したことのない世代にとって、どう受け止められるかわからないけど、ある種の「熱」みたいなものは感じられるかもしれないと思う。


スーパー・セッション
奇矯さやコケ嚇しとは無縁の、私の好きなブルースロックの最良の部分は、ライブでの長いインプロヴィゼーション*1の陶酔感覚にあると思っている。クリームのライブや、アル・クーパー/マイク・ブルームフィールド/スティーブン・スティルスのスーパーセッションなどでは延々とインプロヴィゼーションが続き、聴衆はそれに酔った。そんな時代を思い出させてくれる。*2


「君へのブルース」では、とくにギターのソロのあたりにそういったブルースロック的陶酔感覚を感じるけど、短いのがちょっと残念かな(笑)。ライブで、ギターやドラムスなどの長いインプロヴィゼーションを含めて構成してくれたら、きっと他のZARDの曲とは「異質のノリ」をファンは味わせてもらえるんじゃないかなー。ちょっと期待(笑)。


坂井さんは旅をしているのかも知れないな、とフト思う。ZARDという大きな河を遡っていくと、色々な支流が姿を現してくる。クラシック、ブリティッシュ・ロック、ブルース、そして・・・。この旅が、坂井さんがよく言われる「温故知新」なのかも知れないな、と。

*1:アドリブのことだが、なぜかこの時代のロックではインプロヴィゼーションということが多いみたい。

*2:先日テレビで見たレッド・ツェッペリンも、ライブになると思いのほかブルースロック的だったので、少し驚いた。