音と音楽

「美しい音や響きだけでは、良い演奏ではない。」とピアニストのツィメルマンは言う。


「ルビンシュタインはショパンスケルツォを3回録音したが、1回目の録音は現在のショパン・コンクールのテープ審査で落ちるでしょう。3回目の録音はミスなく完ぺき。でも私は壮大さ、神聖さにおいて1回目の録音が最高だと思います。なぜこのようなことが生じるのか?」それは、CDが「音楽の美学を、響きを正確にとらえるということへシフトしてしまった」からだ、と。http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/music/news/p20060516dde018200055000c.html
ベートーヴェン : 交響曲第9番ニ短調op.125 「合唱」


確かに、私自身、フルトベングラーバイロイト祝祭劇場管弦楽団を振った「第九」(ジャケ写)やクナッパーツブッシュブルックナーといった昔の録音を聴くと、音楽的感動は音質とは関係ないという気になってしまう。ZARDの武道館ライブだって、純粋に「音質」だけをとらえればそれほど良いとは思えないけれど、最高の感動だったし。


今のように、新曲がリリースされて次の新曲が出るまでの間、私はよくZARDの曲を順に聴いていくことをする。最近シングルやアルバムのリリースが続き、そういう聴き方から遠ざかっていたのだが、改めてまずシングルを「Good-bye My Loneliness」から通しで聴きはじめることにした。で、MP3にして通勤電車で聴いてみると、音が全然違って聴こえてきたのには驚いた。「え?ここはこんな音が鳴っていたのか〜」。


「原因」はわかっている。イヤホンだ。以前書いたことがあるが、カナルタイプのER-6iで聴くと、高音はクリヤーで分離が良く、低音は締まって、カラッと澄んだ音だ。何度も聴いた曲が実に新鮮に聞えて、新しい楽しみである。http://d.hatena.ne.jp/moon2/20050530


確かに、音質と音楽的感動とは別モノだとは思うが、全く無関係とも言えないところが微妙なわけだね(笑)。