清夏
春過ぎて夏なお清き束の間を われを見よとて咲き誇るかな
http://d.hatena.ne.jp/moon2/20060615に書いた「伊那谷の老子」の著者、加島さんが石楠花の絵を描いたときに詠んだという短歌である。
「夏なお清し」というのは梅雨明けの頃の爽やかさを表すそうだが、なかなか良い言葉だ。猛暑になる前の、まだ若い夏。
ただ、石楠花の花期は4月から5月だから、梅雨明けに開花するには高原でないと難しいだろう。高原なら爽やかで「夏なお清し」がピッタリくるんだろうけど、ここらではいきなり猛暑になるのかな(笑)。
♪夏が忍び足で近づくよ
ZARDの「揺れる想い」の出だしだが、私は「夏なお清し」からこのフレーズを連想してしまう。私はこの歌の季節は梅雨の晴れ間だと思っているから、少しずれているけど、束の間の爽やかさという点で共通しているからだ。
いや、待てよ!坂井泉水さんは、まだ夏になりきっていない梅雨明けの一瞬を「夏が忍び足で近づく」と表現したのかも知れないな。なんかそんな気がしてきた。私は「夏なお清し」という表現を知ってから、そういう一瞬の存在に思い至ったのだが・・・。う〜ん、坂井さん、スルドイ!
しかし、こう雨ばかりだと早く夏が来て欲しいと思うね。できれば短くても清夏を。