坂井泉水さんはどんな思いを「激」という言葉に込めたのだろう。

今年2月刊のWEZARD vol.35のインタビューで、2006年を漢字1字で表すと?という質問に、坂井さんは「激」でしょうか・・・と答えられている。


実は、この坂井さんの回答を見たとき、私はとまどった。9.11とか大戦争勃発とか、世界がひっくり返るような2006年の事件を思い出せなかったからだ。2006年は「激」の反対の「穏」の方がどちらかと言えばふさわしい気がした。
社会的事件でないとすると、坂井さんの身の回りのことかな?
でもプライベートなことじゃないはずだから、仕事のことだろう。と思って、以前書いたことがある。http://d.hatena.ne.jp/moon2/20070218


しかし、子宮全摘に至ってしまったという女性としてのショックの激しさや、その後の病との格闘がこの「激」という言葉の中に込められていたことは間違いない。今はそう思う。


坂井さんはインタビューを「私も皆様に支えられています。一緒に今年も頑張りましょう。」という言葉で締め括られている。これはありきたりの言葉ではない。坂井さんの命が激しく揺さぶられていた時に、回復を信じて発せられた言葉なのだ。


私はあらためて「激」という字を見つめた。・・・字は叫び、泣いていた。


しかし、しばらく見ていると、坂井さんからこう言われているような気がしてきた。
もう「激」は終わり。今は「穏」ですよ、と・・・。