グロリアス マインド

グロリアス マインド」を今日フラゲした。
Music Freak Magazineもゲット。見開きで1ページがこのCDのレビュー、1ページが写真だった。
「1億3000万人が選ぶ!ベストアーティスト2007」を見たが、期待していたほどの長さでもなく、映像も先日の「クローズアップ現代」再放送の時に追加で流されたものと同じようなものだった。私にはちょっと期待はずれだけど、初めて見た人には良かったのではないかなあ。


今日は坂井泉水さんの最後の録音、「グロリアス マインド」について書く。


どうしてもこの曲は、あの悲しい出来事や、病気との闘いの中でお母さんに付き添われて録音したことなどへの思いを排除して聴くことができない。


録音は亡くなる1年以上も前で、子宮全摘手術よりも前のことだから、この時は自らの死の可能性など全然思っていなかったはずだ。しかし、かなり長期の入院・闘病を強いられるかもしれないことはわかっていただろう。


坂井さんのデリケートな声は、体調や気分のちょっとした変化も反映してしまう(という意味のことを坂井さんは言われていたと思う。)し、普通の時であれば常に最善を目指す坂井さんが決して録音するはずがなく、体調の改善を待ったと思われる(とは言っても、録音された声は普段と同じように力強く、体調の悪さなど全く感じさせないけれど。)。


普通なら録音など考えられない、そんな時に坂井さんを突き動かしたものは何なのか。私には何とかしてこの作品を届けたいという坂井さんの使命感抜きには考えられないのである。


坂井さんはライブ(坂井さん流に言えばコンサート)で、ファンが喜ぶ様子をじかに見て、自らの歌の力を自覚し、希望の歌を歌うことを自らのミッション(使命)と考えるようになったのではないだろうか(もちろん、これは私の個人的な考えで、坂井さんご自身が言われたことではない。)。ライブ以後、紅白に出たいと考え始めたということがそれを裏付けると思う。坂井さんはマスメディアに媚びたりする歌手ではない。紅白は「出たい」のではなく、伝えたいものを伝えるために、「出なければならない」ものだった。それがミッションだから。


媚びず、かといって傲慢にならず謙虚で、真っ直ぐに生きた稀有のアーティスト。私は亡くなってからますます坂井さんの偉大さを感じるようになった。坂井さんが全力を振り絞って届けようとしたもの。この曲には坂井さんの魂が宿っている。それを受け止めたいと思う。
♪いつまでも変わらぬココロを もう一度君に届けたい


しかし、やはり私にはこの曲は距離をもった冷静な受け止め方をすることができない。聴いていると、新たな悲しみが襲う。




坂井さん、なぜ、死んでしまったんだ・・・。