「夏の庭」、そして「Boy」(1)

ZARDの11thシングル「Boy」。「この愛に泳ぎ疲れても」と両A面の曲である。少し地味目なので損をしている気もするが、いかにも栗林誠一郎さんらしい穏やかな曲調で、それに坂井泉水さんの優しい声が乗ると、これはもう絶品の味わいとしか言いようがない素晴らしさだ。この隠れた?名曲が「Soffio di vento 〜 Best of IZUMI SAKAI Selection 〜」に収録され、より多くの人が聴けることになったのは嬉しい。

Soffio di vento: Best of IZUMI SAKAI Selection

Soffio di vento: Best of IZUMI SAKAI Selection


ところで、既に知られていることだが、「Boy」には栗林さんが作詞もされた「Girl 今でも…」という元歌があって、1989.11.21にリリースされた栗林さんの1st アルバム「LA JOLLA(ラ・ホーヤ)」に収録されている。ただし、「Boy」と似ているのはタイトルだけで、内容は全く違うし、似た表現もない。
また、その後「Girl 今でも…」は英語の歌詞(英訳ではなく新たな作詞だ。)が付けられ、1991.12.16リリースのアルバム「Good-bye to you」に「Girls and Boys 」として収録されている。英詩の作詞者はあの舛添要一さんである。坂井さんの歌詞はこちらとも類似性は感じられない。http://www.being.co.jp/kuribayashi/


さて「Boy」だが、この作品は女性の(たぶん年下の)男性への愛の歌だと理解するのが通常だと思う。坂井さんの歌詞と声と、栗林さんの情感溢れるメロディーが女性の優しさ、慈しみの想いをしみじみと伝えてくれる・・・。そう私は思っていた。
あの映画を見るまでは。


(続く)