ジョン・レノン ロスト・ウィークエンド

ジョン・レノン ロスト・ウィークエンド』(メイ・パン著、 2008/11、河出書房新社)。私にとっては衝撃的な本でした。
この本は映画「ジョン・レノン,ニューヨーク」をご紹介した時、oy-miyuさんからお薦めいただいたので読んでみたのです。


「ロスト・ウィークエンド(失われた週末)」とは、ジョンがヨーコから別居を言い渡され、ロサンゼルスに移り住んだ時期を指しています。この本は当時ジョンと生活を共にした中国系女性のメイが撮った写真にメイ自身がコメントを付けたもので、ジョンの生活や他のアーティストとの交流などが捉えられています。中でもポール・マッカートニーの訪問やジョンとのツーショット写真は、ともすれば「犬猿の仲」とされていた両者の関係の見直しを迫るものかもしれません。


ジョン・レノン ロスト・ウィークエンド Instamatic Karma

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amazonの記載にもあるように、この本にあるのは「様々な重荷から解放された」ジョンの姿でした。ジョン自身、“メイと過ごした時期は最高に楽しかった”と述べているそうですが、恐らくこれが真実だったのでしょう。私にとってはこのことが最も「衝撃的」でした。なぜなら、今まで一般的に「ヨーコとの別離にうちひしがれて呑んだくれていた」時期とされてきたし、映画「ジョン・レノン,ニューヨーク」も基本的にはそうした見方で作られているからです。確かに当時のジョンは泥酔して顰蹙を買うような振る舞いもあったようですが、そうした点だけに注目して「ロスト・ウィークエンド」を捉えるのは公平ではないでしょう。
また、酔っ払っているばかりなら、この時期にアルバム「Mind Games」やアルバム「Walls and Bridges(邦題:心の壁、愛の橋)といった優れた作品をリリースするなんてできないように思います。


もう一つ「衝撃的」だったのは、ジョンとヨーコの仕事上のアシスタントだったメイに、ジョンとの話を持ちかけたのは他ならぬヨーコだったとされていることです。これが嘘であればヨーコは黙っていないでしょうから、たぶん本当なのだろうと思います。このヨーコの態度は凡人たる私などの理解を超えていますが、ジョンを一人で放っておけないという深い「愛」なのでしょうか。それにしても大きな人だなと思いました。


oy-miyuさん、このような重要な本をご紹介くださってありがとうございました。


なお、この本とは関係がありませんが、ヨーコさんの興味深いスピーチがありましたので、書き留めておきます。Love & peaceのイメージが窺われます。


(私は)地上に天国を作りたいと思います。天国って、地上にあるんですよ。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、それに子供がそろって、日が沈むのをなんとなく見ていられるなんてのが、天国なんです。


愛があるからこそ、子供も生まれるし、愛の力が宇宙を創っているんですよ。愛があれば、疲れた地球を癒していけるんですよ。何でもないことです。みんなで愛し合うことが大事です。
一方で破壊、一方で愛し合う…どっちが勝つか、ですね。
http://www.geocities.jp/thebeatlescometogether/yoko/page1/shinjuku.html


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WEZARD記念品」が今日届きました。ネタバレはしませんので・・・(笑)。まだの方はお楽しみに。