もっと近くで君の横顔見ていたい

ZARDの新曲「もっと近くで君の横顔見ていたい」を聴いた。
月桂冠「月」のCMでおなじみになっているスローな導入部のサビもすばらしいが、ピアノで第2部が始まる一瞬は、静かな中に緊張感が漂い、何度聴いても息を呑むような思いがする。
次に、メロディーは導入部と同じだがテンポアップしたサビがきて、先ほどの第2部が更に情感を高めて繰り返され、悲劇性すらかもし出す。
最後にくるサビは、それまで抑えてきた坂井泉水さんの声が一挙にフォルテシモへと解放され、圧倒的な迫力で迫ってくる。

みごとな序破急のドラマだなと思った。坂井さんの作品には、たとえば「♪青く暮れかけた街並み」(君に逢いたくなったら)のように「絵画的」な印象深いフレーズがしばしば登場し、私はそれが大好きなのだが、それとの対比で言えば、この「もっと近くで君の横顔見ていたい」は「映画的」という印象を強く与える。

考えてみれば、「序破急」というのは能楽で発展した日本の芸術の技法である。
http://www.fsinet.or.jp/~bunko/s/196912.htm

坂井さんは能楽にも関心を持っているということなので、ひょっとすると能楽の影響なのかな?なんて妄想したりするのだが・・・(笑)。