最近のシングル(その2)

また、面白いのはこうして聴くと、そんな「異質な楽曲」がとても生き生きとし始めるように感じられること。「えっ?こんな良い曲だったっけ?」というような新鮮なインパクトがあるのだ。シングルCDとして聴く場合はその楽曲だけを聴くという聴き方になるので、いわばスパイスを舌でじかに舐めるようなものだが(笑)、こうして「全体の中の1曲」として聴くと、スパイスが全体の中に調和しつつ独自性を主張しているとでも言おうか・・・。

そのスパイスも「抱きしめていて」は苦味、「リセット」はエスニック、「無我夢中」の都会的な刺激は、・・・何だろうね。んー、激辛ペパー・ソースといったところかな(笑)?とにかく、それぞれが良い味出してるじゃん、て感じ。

私が凄いと思うのは、坂井泉水さんの変化にチャレンジする気概だ。これには本当に敬服する。変化はリスクを伴うけれど、変わらなければいつの間にか消えてしまう。企業だって同じこと。生き残っている企業というのは、絶えず変わってきた企業なのだ。賞味期限は短いとアタマでは誰でも分っていることだけれど、変わるということは過去の成功パターンを自分で壊すことだから、実行するのはとても勇気が要る。

もちろん、全てを壊すのではなく、過去とのつながり、アイデンティティを保ちつつでなければならない。坂井さんがZARDらしさとは何かを自問自答していたというのは、たぶんこのことを言っておられるのだろう。

(もうちょっとだけ続く)