15年目

夢と目標は違う。

夢は漠然としていても良い。しかし、目標は具体的に実行可能なものでなくちゃならない。坂井泉水さんにとっても、ライブは長い間の夢だったと思うけど、ある時点から具体性を伴った目標になったはずだ。「夢」を「目標」に変えることが、夢の実現の第一歩になる。

企業にだって夢はある、というと意外に思うかもしれないが、「創業の理念」とか、コーポレート・アイデンティティ(CI)と言われるものがそれ。夢は企業にも人生にも不可欠だ。けれどもそれは事業の目標とは違う。

仕事というのは一般に年度計画を立てることから始めるわけだが、その押さえどころはどんな仕事でも同じで単純なことだ。ひとつは「これだけはやる」という基本事項は可能な限り具体化しておくこと*1。二つ目は、必ず期限を設定すること。その両者がつまり「目標」であって、仕事の「評価基準」になるわけだし*2、仕事の「プライオリティ」を決める基準になる。*3

さらに年間計画を半年、月次へとブレークダウンして仕事を進めるのだが、ZARDという大きな音楽制作プロジェクトをマネージすること、つまりスムーズに動かして行くのはかなり大変だろうな。自分で動くのは簡単だけど、人を動かさなくてはならないのだから。*4

音楽制作のギョーカイのことは知らないけれど、1年間の年度計画を立て、それに基づいて仕事をするというスタイルを取ることは、難しいのかなあ。でも、予定が先まで見えるという今回の状況は、そのスタイルを可能にしているように思えるんだね。坂井さんはどんな目標を立てているんだろう。オフィシャル・サイトのメッセージからは意欲がひしひしと伝わってくるから、きっとチャレンジングな目標を立てておられるのだろう。15年目という記念すべき年を是非沢山の作品で、美しい言葉の花で飾って欲しいものだ・・・。

*1:もちろん、飛び込みの仕事とかも入ってくるが、それもある程度見越した上で。

*2:坂井さんは昨年を65点と自己評価しているが、会社であれば(実際には他の要素も入ると思うが)、この2点を基本として業績評価や人事評価を行うことになる。

*3:実務的には、年度計画をスケジュール表にして壁などの見える所に貼っておくというシンプルな方法が意外に効果的だ。

*4:そして、人というのは他のプロジェクトにも関わっているだろうから、その調整だけでも大変だという気がする。まー、プロマネ(プロジェクト・マネジメント)は坂井さんの仕事ではないと思うが。