映画で聴く「夏を待つセイル(帆)のように」

今日からロードショー公開されたコナンの映画、「水平線上の陰謀(ストラテジー)」から帰って来て、コーフン覚めやらぬ中で書いている。

映画館に入ると、嬉しいことにZARDの「夏を待つセイル(帆)のように」が流れていた。レイト・ショーだったので親子連れより高校生から20代くらいが目立つ。レイト・ショーなら1人で行ってもそれほど違和感はないだろう。

映画は結構ハラハラ・ドキドキのストーリーだ(笑)。そして、映画でたぶん一番感動するシーンの、まさにここ一番!というタイミングで、テーマ曲「夏を待つセイル(帆)のように」が流れ出す(ちょっと出来すぎという感じもする場面だが(笑))。

テーマ曲の背景映像では、豪華客船の中、小学4年くらいの女の子の実写が出てくる。それはそれで良いのだが、映画のシーン(アニメ)が回顧的に挿入されたり、キャスティングの文字が被るし、「セイル」の歌詞も流れるわけで*1、ちょっと忙しかったね(笑)。

たぶん、この部分だけを取り出せば、これがもっとシンプルな映像構成だったらより素晴らしいZARDの音楽とのコラボレーションができあがったと思う。しかし、映画全体のストーリーや海というシチュエーションから見た場合、「セイル」はストーリーや海の雰囲気にどんぴしゃで、実に良くコラボレートしているのだ。たしかに、坂井泉水さんが「映画のストーリーを考慮して選曲した」*2と言われるのが分かるんだな。

例えばこういうことだ。まず歌詞だが、今回のコナンの映画は、殺人事件やアクションの連続にコナンと蘭の、お互いに大切な存在であることを意識する仄かな思いを絡めた演出になっているのだけれど、映画の中で聴く「セイル」の歌詞はそうした「思い」を強く連想させるものとなっているということ。そして、いつも通り優しい温もりを感じさせてくれる坂井さんの声を乗せる楽曲は、海の大きさ、おおらかさを表現しているということ。それを感じるためにだけでも映画を見る価値はあるかもしれない。

実を言うと、私にはこの曲の葉山たけしさんの編曲がいまいちピンと来ていなかった。ロック・テイストではなくポップ色を全面に出した、とても軽快なアレンジで、その自在感は素晴らしいのだが、私はこの曲の独特のリズム感にすこし馴染めないところがあったのである。けれど、映画で聴くと全然違和感がない。これは実に不思議なことだったし、この楽曲は私の感性にピッタリとはまってしまった。

きっと、葉山さんは映画の中で使われることを踏まえてアレンジしたのだろうし、その意図とおりになったということなんだろう。恐るべし、葉山アレンジ!もし、私と同じような感じを懐いている人が居たら、是非映画をご覧になるようお勧めする(笑)。映画という触媒がこの曲の素晴らしい心地よさを一層はっきり伝えてくれるに違いない。

ところで、「沖野ヨーコ」って映画に出てきたのかな〜?わからんかった(汗)。

*1:それに、ZARDファンだとつい、これってZARD船上ライブのパシフィック・ビーナス号なのかな?などという雑念が交錯してしまうしね(笑)。

*2:Music Freak Magazine vol.125