「青春デンデケデケデケ」の今

先日、赤坂の某ライブハウスに行った。小学校のクラスメートがメンバーになっているおやじバンドのライブがあったのだ。去年京都から東京に戻った私は初めて行ったのだが、もう10年以上、年1回の開催を続けているという。


演奏曲目は毎回かなり違うようだが、今年はベンチャーズ9曲、ビートルズ8曲、CCR3曲、寺内タケシ5曲のほか、ジャズあり、ド演歌あり、スタンダードナンバーありと、見事なまでの一貫性の無さである(笑)。誰かが自分の思い入れを主張するとバンドは分解してしまいかねないので、各メンバーの好みを尊重するというポリシーがあるからだそうだ。


バンドの編成はビートルズと同じで、旧友はドラムスを担当。エレキの神様と謳われた寺内タケシの曲なんて、テクに自信がなければやらないと思うのだが、大したもんだ。
時々「外しまして・・・」とか言うと、すかさず「言わなきゃわかんねーぞ!」などと揶揄とも応援ともつかぬヤジ(?)が飛び満場爆笑。言わなくてもわかるのもあったけどね(笑)。
ある曲が終わった時、旧友がドラムスの後から這い出してきて、ちょうどorzの姿で固まってしまった。足がつったのだという(笑)。アラカン(アラウンド・カンレキ)ならではの「ご愛嬌」は大受けだったが、気遣う声援も飛び、しばらくして復帰した時は大拍手だった。


昔よく聴いた曲に懐かしさで一杯になりながら、私はふと「青春デンデケデケデケ」を思い出した。ベンチャーズにショックを受けた高校生がバンドを始めるところを描いた直木賞受賞の傑作小説だが、1960年代には全国至るところでこうしたバンドが生まれていたのだ。その青春の夢を持ち続けているのが、今のおやじバンドなのである。派手なアクションとは無縁の淡々としたプレイの中にある熱いもの。ステージ上の旧友たちは輝いていてカッコ良かった。

いつ見てもこの本の表紙にはニヤリとしてしまう。(次をクリックすればモトネタが表示されます(笑)。http://www.amazon.co.jp/gp/customer-media/product-gallery/B00005GL0U/ref=cm_ciu_pdp_images_1?ie=UTF8&index=1


ライブの合間、そして終わった後、集まったかつての男の子、女の子たちと音楽談義。私はJAZZの曲をはじめ、ライブでは知らない曲が幾つかあったのだが、ある女の子が「知らないのは1曲だけだった」と言うのにはビックリした。バラエティのある選曲だったし、よほど音楽好きなんだろう。クラシックが似合いそうな人なんだけど、見かけによらないなあ(笑)。
いろいろな話をしたが、一番嬉しかったのは「ダンナがZARDファン」という女の子が居たこと。坂井泉水さんの音楽葬に行ったそうだから、かなりのファンなんだろう。その子自身がファンだったら最高なんだけどね(笑)。


その後私は靖国神社へ桜を見に行ったのだが、残念ながらまだ2分咲きだった。明日、明後日は満開だろうけど、人出を考えるとねぇ・・・。


ベンチャーズ「パイプライン」 http://www.youtube.com/watch?v=x6iRzaBKXL0