出逢いそして別れ

(これは「止まっていた時計」〜再び歌へ、その決意と悲しみ http://d.hatena.ne.jp/moon2/20090903 の(1)から(3)までの続編である。)


10th ALBUM「止まっていた時計が今動き出した」を聴いていて、「出逢いそして別れ」まできた時、ハッとした。


♪命在る限り それがきっと one wayだからね


「one way」、つまり、「もう戻れない」というフレーズ、それが繰り返されているからだ。この時はまだ漠然とであったが、私は坂井泉水さんが「止まっていた時計が今動き出した」で歌われた「決意と別れ」を連想せずにいられなかった。


そこであらためて歌詞を読んでみると、そのフレーズ部分[1]〜[4]は次のようになっている。( )内は英語部分の拙訳である。


[1]命在る限り それがきっと one wayだからね 
I'll always love you(ずっとあなたを愛しているわ。)


[2]命在る限り それがきっと one wayだからね 
I wanna keep on goin'my way(自分の道を行きたいの。)


[3]命在る限り それが希望 one wayだからね
Give me a smile more…(もっと私に微笑みをください・・・。)


[4]命在る限り それがきっと one wayだからね 
I'll always love you (ずっとあなたを愛しているわ。)


驚いたことに、英語の部分には「あなたへの愛」と「自分の道」の間に揺れる心情が表現されている。これは「止まっていた時計が今動き出した」と共通のテーマではないか。


そして歌詞全文を読むと(ここにはいちいち書かないけれども)、「出逢いそして別れ」と「止まっていた時計が今動き出した」は二部作というか、共通のテーマを持つ双子の姉妹なのではないだろうかと思えてきたのだ。
「出逢いそして別れ」が「止まっていた時計が今動き出した」の直前に置かれていることにも示唆的だと思う。後者は前者より曲調も歌詞表現も重くなっているから、通しで聴いた時に深まりを感じさせるように坂井さんが配置されたのではないだろうか。


やはりZARDは奥が深いとあらためて驚嘆してしまった。