ジョン・レノン,ニューヨーク(1)

タワレコ渋谷のパネル展を見た日に、隣駅の恵比寿で上映中の「ジョン・レノン,ニューヨーク」も見てきました。 http://johnlennon-ny.jp/theater.html  上映スケジュール:http://johnlennon-ny.jp/theater.html


実は、oy-miyuさんのブログにkotonohaさんが書き込まれたお蔭でこの映画の存在を知ったのです。坂井泉水さんは「ジョン・レノンが大好き」と仰っていますし、私もジョンが好きですし、「かつてない強烈な、人生」というキャッチコピーにも惹かれて、これはもう行かねば!と(笑)。kotonohaさん、oy-miyuさん、ジョンと会わせていただきましてありがとうございます。


映画を見るまでは、私のようなリアルタイムでビートルズを体験した世代ならともかく、どういう世代の人がこの映画に興味を持つのかなと思っていたのですが、若い人から私くらいの年齢まで万遍なく見に来られていました。これは嬉しい驚きで、今更ながらジョンの影響力の強さを実感しました。


映画は、ジョンがイギリスを離れ、活動の拠点をニューヨークに移してからのジョンの後半生を、随所に歌を挟みながらジョンを良く知る人たちの証言やジョン自身の発言によって描いています。


ジョンはイギリス在住中からヨーコとともに平和運動(Love & peace)を続けてきましたが、ニューヨーク移住後は積極的に反戦運動に関わるようになりました。映画はまずそうしたジョンの「政治的」な活動に焦点を当てます。


しかし、その時代背景をご存知ない若い人たちには、ジョンの行動はなかなかピンとこないかもしれません。そこで、この部分については私自身の記憶を整理するためにも補足してみました。
当時世界的に(もちろん日本でも)学生を中心に若者たちの反乱が広がっていました。反乱の大義(理由・目的)はそれぞれ違いますが、共通するのはベトナム戦争反対です。日本では東大安田講堂事件(1969年1月)後、内ゲバ等もあって徐々に運動は下火になっていきますが、当事国アメリカでは徴兵制により泥沼化した戦場に送られるわけですから非常に深刻で、当時は北爆(隣接する北ベトナムへの攻撃)強化を巡って国論が二分されていた状況だったのです。以下、「年表 ジョン・レノンベトナム戦争」を参照しながらお読みいただければと思います。


(続く)

年表 ジョン・レノンベトナム戦争


★1965年3月 アメリカ、北爆の本格的な開始
反戦運動激化)
★1968年3月 ジョンソン大統領、北爆の大幅縮小、再選不出馬を表明
★1969年1月 ニクソン大統領就任
1969年3月 ジョンとヨーコ挙式
1970年4月 ビートルズが事実上解散
1970年12月 アルバム「John Lennon/Plastic Ono Band(邦題:ジョンの魂)リリース


1971年8月 ニューヨークに移住
1971年9月 アルバム「Imagine」リリース
★1972年3月 ニクソン政権、ジョンに対して国外退去命令
★1972年5月 ニクソン、北爆の強化とハノイの機雷封鎖の決定
1972年6月 アルバム「Some Time in New York City」リリース
★1972年11月 ニクソン、大統領再選
★1973年3月 米軍、南ベトナムから撤退完了
1973年9月 『失われた週末』が始まる
1973年11月 アルバム「Mind Games」リリース
1974年10月 アルバム「Walls and Bridges(邦題:心の壁、愛の橋)リリース
1974年11月 エルトン・ジョンのコンサートに飛び入り出演し、ヨーコと再会。
1975年1月 ヨーコとニューヨークでの暮らしが始まる
1975年2月 アルバム「Rock'n Roll」リリース
★1975年4月 サイゴンの陥落、ベトナム戦争終結
1975年10月 ジョン、勝訴(米国在住が認められた。)
1975年10月 息子ショーンが生まれる。
1980年11月 アルバム「Double Fantasy」リリース
1980年12月 ジョン・レノン逝去