「止まっていた時計」〜再び歌へ、その決意と悲しみ(1)

「止まっていた時計が今動き出した」(2004.1.28)。とても重い歌だと思う。


私の考えでは、ここで表現されているのは「決意と悲しみ」、つまり、様々な試練を乗り越えて、人々に勇気(パワー)と喜びを与えるために歌い続けるという坂井泉水さんの決意と、そのために恋人と別れることになった悲しみである。


驚かれる方も居られるかもしれない。実は私はこれまでこの曲の意味をあまり深く考えたことはなかったのだが、少し前に掲示板の方でこの歌について書く機会があって考えた時に、私自身この曲の持つ意味と重さに驚いたのだ。別に掲示板の方と結論が変わるわけではないが、この歌の背景、坂井さんの置かれた状況を含めてもう少し丁寧に書いておこうと思う。


私は「止まっていた時計」とは坂井泉水さんご自身のことだと考えている。輝かしい実績を持つ坂井さんのような人が、過去の自分を突き放すように「止まっていた時計」だなどと言うのは生易しいことではなく、ここまで自分を客観視して表現できる坂井さんの大きさに感嘆してしまうが、この歌の本当の凄さはその先にある。


(つづく)