WEZRD vol.44

会報WEZRD vol.44はかつてない程読み応えがある。今回は会報のほか、”What rare episodes”という”extra number”と、会報の表紙と同じ写真のポストカードがついているのだが、会報と”extra number”と併せると、読むだけで(計ったわけではないが)2〜3時間、あるいはそれ以上かかるのではないか。


まず会報だが、ほとんどが”What a beautiful memory tour 2009”に関連する内容で、最初にリハーサル2ページ、堂島リバーフォーラムと武道館が1ページづつのスタッフ・レポートがある。スタッフ・レポートとはいっても、ツアーメンバー達のコメントが入り混じった舞台裏の様子はとても興味深い。


次に、ファンによるライブの感想と「詞(ことば)の力」(今回が最終)をはさんで”ZARD 18th Anniversary@山野楽器”が2ページ。http://d.hatena.ne.jp/moon2/20090213 で書いたマイクNEUMANN U-87Aiと、MOD STUDIO BEINGで使用されていたベンチの写真もあって、これを見ると行った時のことを思い出す。


寺尾広さん、島田勝弘さん、市川孝之さんによる3ページの”Engineer Talk Session”は制作現場の生情報満載だ。たとえば、長時間録音などの時の食事はチャーハンと餃子が多かったそうである。どうも坂井泉水さんのイメージと合わないが(笑)、分けて半分づつ召しあがったということなのでちょっと「安心」した(笑)。
そういった裏話も興味津々だが、対談の中心は坂井さんが使われたマイクやヘッドフォンの話題で、2004年ライブ後はTELEFUNKEN U47というヴィンテージ・マイクが使われることが多かったとか、「雨に濡れて」の映像のヘッドフォンはAudio Technica ATH M66だったことなど、初めて聞く話ばかりだった。


”extra number”も凄い内容だ。ライブステージの企画、監督、音響、照明、映像等々の専門スタッフへのインタビューが2ページづつ合計14ページ。
坂井さんの手書きの書き込みがあるセットリストが見開きで2ページ。04.2.5の日付があるから、誕生日の前日だ。その中に坂井さんのMCの案が2か所あるのだが、どちらも最初に「エー」が書き込まれているのが実に微笑ましい。口癖だと思っていたのだが、ご本人も意識されていたんだなあ。案外トレードマークだったのかも・・・(笑)。
そして池森秀一さん、倉木麻衣さん、中村由利さん、羽田裕美さんの手書きメッセージが1ページづつと、見開き2ページのメンバーの寄せ書き風メッセージ。
最後は「ライブに来てくださってありがとうございました」という坂井さんの手書きメッセージと、武道館ライブでの全員による挨拶の写真。これは坂井さんのパネルを中心にその両端を池森さんと倉木さんが握り、メンバー全員がつないだ手を高く掲げたシーンで、とても感動的だ。


専門スタッフへのインタビューは、いずれもステージを支える情熱とこだわりを感じさせる貴重な内容だが、坂井さんのお人柄を偲ばせる記述も多く、非常に興味深い。もちろんそれぞれ専門家としての立ち位置は異なるが、坂井さんへの思いは我々ファンと変わりがないことが、読んでいてよく伝わってくる。こういう、多くのアーティストのそばで仕事をされることの多いプロフェッショナルにそう思わせてしまうのって、すごいことなんじゃないか。何だかとても嬉しい気がした。


”extra number”と合わせた今回の会報は素晴らしい内容だ。これだけのものを武道館ライブ終了後の短時間で届けてくれたスタッフに感謝したい。


別トピになるが、羽田裕美さんのコンサートツアー”2009〜ZARD Piano Classics〜”についてCB-1さんが掲示板に書いてくださった。そこで触れられている岩館真理子さんのコミック「遠い星をかぞえて」を速攻で注文してしまった(笑)。来るのが楽しみ〜。